INTERVEW
再生!勝てる組織づくり
共有できる目標と到達のプロセスを示し、最大の武器となる自信を持たせる
未来はリスクまみれの中から
時代は大きな転換期を迎えている。そして、その変化は容赦なく我々に襲いかかってくる。昨今の企業を取り巻く環境を見れば自明のことだ。しかし、多くの医療関係者は「対岸の火事」という認識を拭いきれない。我々は変化に対して無感覚になってはいけない。ここで断言できるのは、安逸な日々は存在しないということである。未来はリスクにまみれている。
先日、リスクマネジメントの第一人者である内藤秀宗先生との対談を通して、我々が近い将来にどのような困難に直面するのか、その範囲と影響度について伺った。我々は直面するリスクに、トップとしてどのように対応すればよいのだろうか?
- アウトオピニオンの評価を重視し現状を客観的に把握する姿勢を持つ。
- あらゆる情報に敏感になり、リスクを「管理」するのではなく、前兆を察知し、早めに対応するように心掛ける。
- 「もし、自分が医師を辞めたら他に何かできるか?」を真険に考えてみる。そして、院長としてのミッションを明確にし、モチベーション向上に努める。
- 他業界と接触することで世界観を広げ、リーダーシップについて学ぶ。
危機を乗り越えるのは、今がチャンス。
すぐにでも取り掛かってほしい。
経営戦略の実行過程において重要となるのはリーダーシップである。しかし、リーダーシップとは組織行動における知恵であるため、文字になりにくく、学習するのは困難だ。我々がその知恵を学ぶためにはリーダーシップに溢れる偉大な人物から話を聞く以外に方法はない。今回現サントリーラグビーチーム監督の清宮克幸氏にリーダーシップの極意について伺った。
実は、私はラグビーのことについて詳しいわけではないが、チームの戦績を見て愕然とした。まさにラグビーのスーパーチームだったからだ。そのチームを率いる監督こそ
、戦略と戦術そしてリーダーシップのエキスパートだ。はたして、常勝チームのリーダーシップの極意とはどのようなものだろうか?
- 何よりもチームの目標を明確にし、チームとリーダーの目標の共通化を図る。
- 現状を直視し、客観的に現状を把握する。
- 無理にでも強みを発見する。そして、強みを更に強化し、弱みを消し去る。
- 何でも良いからチームに自信を感じさせる。自信を植え付けそして定着させる。
- アイデアを多数持ち、試す。諦めずに再び試す。
- 目標達成のためにチーム員を選択する。慎重に選択する。
- 新しいチャレンジをチーム員に課す。
- リーダーが成すべきことは何かを真剣に考える。そして、批判を恐れずに行動する。
我々は組織に対して本当にここまでの迫力を持って努力し、実行してきただろうか? 自らに問いかけた。実は部下の顔色を伺い、コミュニケーションがとれているつもりで、ただ安逸な日々を過ごしてきただけかもしれない。しかし、その行動に未来はないのだ。
平成元(1989)年の大学選手権以来、13年間も優勝から遠ざかり弱体化していた名門・早稲田大学ラグビー蹴球部を、監督就任からわずか2年という短期間で復活させた「優勝請負人」清宮克幸氏に、選手のモチベーションアップ、パワーアップ、そして組織再生の秘密についてお聞きし、意識改革と業務改革、そして組織改革が迫られる医療機関経営の一助にしたいと考え、対談をお願いした。
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共有できる目標と到達のプロセスを示し、最大の武器となる自信を持たせる