医療経営戦略研究所
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ワタシ日本の味方です!

これを書いている私は生粋の日本人で、日本を愛しているし、日本食も好きだし、日本人のマナーは世界一いいと思っています。これは本当です。

しかし、透析医療ではひいき目に見ても、日本が優れているとは言えない事態が起こっています。

今日取り上げたいテーマは在宅血液透析のイノベーションについてです。

在宅血液透析は長時間透析や頻回透析を可能にすることから、極めてoutcome(健康結果)が高いのが最大の利点です。

長時間透析の健康結果への貢献は、日本透析医学会のガイドラインでも示されている通りですが、患者さんへの情報提供が進まないことも一因となり、4時間以上の透析がなかなか増えない状況です。

長時間透析は合併症の発症を抑え、寿命が伸びることは、既に証明されている事実です。

さて、血液透析の機器に関してですが、日本の技術力が世界的に見て秀でている事を認めた上で、残念ながら、在宅血液透析HHDに関しては、日本のメーカーは完全に周回遅れどころか、スタートラインにすら立つ気配が感じられないのです。

日本のメーカーは何故遅れたのか?


Outset Medical inc. 設備不要、電気と水道だけあれば透析が可能。ITを活用し、ネットワークで安全管理を行う。

今日ご紹介する在宅血液透析のメーカーは、世界制覇の野望がどこまであるか定かではありませんが、少なくてもグローバルでは、在宅血液透析のイノベーションに積極的です。

いつから、こんな状況に陥ったのかわかりませんが、欧米の在宅血液透析HHDの特徴を上げればきりがありません。

最大の特徴は患者中心のコンセプトです。日本は医療機関で使用している透析機器を在宅血液透析に流用していますが、この新進気鋭のメーカーは、「家庭で素人の患者さんが使う」ことを前提に開発・設計されています。

 その特徴は1)圧倒的にユーザーフレンドリーであり2)非常にコンパクト3)インフラ不要(排水設備や電気のコンセント)4)操作トレーニング時間が少なくて済む5)情報ネットワークによる危機管理 などです。


Quanta Dialysis Technologies Ltd 極めてコンパクト、操作性が高い

機器操作の習得に時間が取られるのであれば、簡便な機械にすればいい、回路の組み立てが難しいのであれば、カセット式にすればいい、安全管理が重要であれば、機械に警告システム、あるいはネットワークでモニターし安全管理すればいいという合理的な考え方です。

日本では在宅血液透析の使用に際して、患者さんが一人で、見守りなしの使用を原則認めていませんが、アメリカはFDAが患者単独での利用を認可しました。

つまりアメリカのFDAは、在宅血液透析の安全性に太鼓判を押したことになります。

世界的に見て、透析患者数の増加に医師やスタッフの増加が追いつかないという理由もあるでしょう。そうなれば、人的業務を技術で置き換えようとするのは自然の流れです。

重要なのは、医療者まかせにしないと言う事です。患者さん自身が現在の世界観を変えることが必要です。世の中は変化します。その変化を取り入れることで、健康結果が改善します。

合併症が減り、健康寿命が伸びるのであれば、医療的には成功でしょう。やってやれないことはありません。